今年の1月に亡くなられた100歳の詩人・柴田トヨさんの名前を私が知ったのは、去年の夏水戸京成百貨店で企画展が開催された時に母が買ってきた、1冊の本からでした。
ねえ 不幸だなんて溜息をつかないで
陽射しやそよ風は えこひいきしない
夢は 平等に見られるのよ
私 辛いことがあったけれど 生きていてよかった
あなたもくじけずに
柴田トヨ「くじけないで」(飛鳥新社出版)より明治→大正→昭和そして平成と、激動の1世紀を生き抜いた”人生の大先輩”の詩です。
難しい言葉も仰々しい言葉も使わず優しい口調で、優しい言葉で、まるで読者に語りかけるような詩・・・この詩で励まされた日本国民が果たして何人、いらしたことか。
そんな詩を作り続けてきた柴田トヨさんは、今までどんな人生を歩んできたのだろう。。?と興味を持っていた私達親子は、この映画の公開をとても楽しみにしていました
「くじけないで」11/16よりロードショー
出演 八千草薫(柴田トヨ役) 武田鉄也(トヨの長男、健一) 伊藤蘭(健一の妻)他夫を亡くし、一人息子の健一はギャンブル好きで短気な性格ゆえ職を転々とした困り息子。
ある日自分自身も目を患い、すっかり生きる気力を無くしていたところ、”詩”と出逢います。奇しくも詩を書くことを勧めてくれたのは、”困り息子”の健一でした。
やがて日常のささいなこと、心に留まったことをとめどなく書いていくうちにこれまでの自分の人生を振り返るかの如く、過去の記憶が甦ってくるのでした。。。辛かった幼少期の奉公、夫・貞吉との出会い~結婚、健一の誕生・・・
過去の自分と向き合い現実を見つめ直し”現在”に感謝する・・・こうして生まれた数々の詩は、いつの間にかトヨを取り巻く周りの人達に影響を与え、前向きに生きる力を与えていったのでした。
詩はトヨさんご自身の最高の”薬”だったに違いないですが、同時に今を生きる人達にとっても何にも勝る”処方箋”かもしれないな。。。と映画を観終えた私はそう思えて仕方がありません。
「もう、この歳だから。。。」
「どうせ今更。。。」
「人生って何?何の為に自分は生きてるの?」
等という”ぼやき”がつい、日常で出てしまっている方は是非、この映画をご覧になってみてください。
温かい気持ちになれますよ
ただ、残念なことにこの作品、イオンモール水戸内原内のTOHOシネマズでは1日の上演時間が少ないんだよな
ちなみに先週日曜日に、母と観賞した際には公開始まったばかりだというのに一番小さなスクリーンだしお客さんの入りもイマイチ
あちこち空席でした。
素敵な映画なのに、実に勿体無い
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